家づくり中のみなさま、こんにちは。デザインリゾートの松崎です。
屋根断熱と天井断熱の話
まず屋根断熱と天井断熱の違いを下の図を見てください。
天井断熱とは木造住宅で一般的に使われる工法で
外気に面した天井の上に断熱材を入れる方法です。
屋根断熱とは屋根のすぐ下で断熱材を入れる工法です。
どちらが良いかと言いますと
どちらも一長一短あります。
「天井断熱」の場合は、天井より上側が外部になるので
「屋根断熱」より単純に家の中の体積が少ないので、
冷暖房の効率が高いというメリットがあります。
一方「屋根断熱」の場合は、小屋裏空間が室内と同じ
環境になりますので、小屋裏の未利用空間を部屋と
して利用しやすくなりますよね。
ロフトを取ったり、勾配天井にしたりとデザイン的に
変化をつけることも可能となります。
実際の施工現場では屋根勾配に沿って断熱材を入れるため
施工性が悪くなったりする事もあります。
どちらが良いか、悪いかはそれぞれ特徴がありますので
小屋裏空間を利用するかしないかで選択しても大丈夫かと
思います。
施工上の注意事項
ただし「屋根断熱」の場合に施工上注意しないと大事故に
なることがありますので、弊社の施工事例とあわせて
紹介させて頂きます。
上記の写真は野地板を張る前に、たるきの間に遮熱
パネルと言う高遮熱と通気層のダブル機能があるパネルを
全面に入れている状態です。
高遮熱は夏の暑い日射の侵入熱量を40%カットするもので
通気層は断熱材の外側に空気を流す層のことです。
『補足』日射とは太陽光による熱作用のことです。
先ほどの大事故になる原因とは、この通気を取らない施工方法
です。
「屋根通気」の役割は、断熱材の外側に空気を流して湿気を
排出することで、構造躯体や断熱材を守ることです。
断熱層を密閉してしまうと、逃げ場のない湿気は断熱材に溜り
断熱性能を低下させます。
それ以上に、野地板やたるきといった周囲の木部の含水率が
上がり、構造躯体の劣化が急激に進む原因になり得ることが
問題なのです。
実際築10年未満の短期間で野地板が結露で腐朽している
施工事例を建築の講習会で拝見したことがあります。
上記の写真のように、通気層を確保した後に野地板を施工し
室内側から断熱材を充填して、気密層の確保という
流れが正しい施工方法です。
当然ですが、軒先や棟部分で通気ルートを確保することが
大前提です。
上記の写真は室内側から見た断熱材を入れる前の状態です。
断熱の色々と気になることがございましたら、
何なりとお尋ねくださいね。
それではまた。