家づくり中のみなさま、こんにちは。デザインリゾートの松崎です。
建物構造「偏心率」について
あまり聞き覚えがないと思いますが、建物構造の平面的な
バランスを計る指標となる
「偏心率・へんしんりつ」の意味を説明をさせて頂きます。
建物の重さの中心を「重心」と呼びますが、建物の壁の配置による
剛さ(つよさ、かたさ)の中心を「剛心」と呼びます。
地震の際に発生する力は、建物の質量の中心である「重心」に
最も大きく加わりますが、一方で、建物の構造上最も剛性が強い
「剛心」には揺れ、振動の負荷がかかります。
水平方向に揺れたり、剛性を中心として回転するような動きを加え、
建物をねじれさせようとします。
このことから建物を設計する際には、「重心」と「剛心」を近く
なる様に耐力壁をバランスよく配置します。
建物の重心と剛心が一致している場合は偏心率は「0」となり、
重心と剛心が離れるほど偏心率が高くなり、ねじれが大きくなります。
一般の木造住宅においては「偏心率は0.3以下であること」と
規定されていますが、出来れば耐震性を向上させるためにも
偏心率は0.15以下にするように設計しましょう。
偏心率で広がる設計方法
一般的に大きなサッシ(開口部)が多い壁は、剛心が遠くなり
耐力壁のバランスが悪くなるため、必要以上に耐力壁を設けて
剛心を重心に近づけようと「引っ張ってあげる」設計をする方も
おられますが、設計の自由度が広がりません。
そこで発想の転換をし、耐力壁をなくして剛心を「押し戻す」
方法も有効になる場合があります。
特に開口の狭い長屋のような建物でも、この方法で
偏心率を低くすることも可能ですので、覚えておくと便利ですね。
またその他構造のことも少しずつアップしていこうとおもいます。
気になることがございましたら、何なりとお尋ねください。
それではまた。